少し体調が悪い。 のどが痛い。 のど飴をなめ続けている。 僕はのど飴を普通の人よりもずっと信頼している。 人間よりものど飴の方が信頼できるという意味ではない。 --------------------------------------------------- ・・あれは高校2年生の冬だった。 朝起きると、のどが猛烈に痛かった。 その日は冬休み中で、 部活の練習はつどーむで行われることになっていたのだが、 「これは練習どころではないなぁ・・。不覚だ・・。」 と、落ち込んでいたのだが、 迷いつつもつどーむへ向かった。 今もあるのか知らないが、 つどーむへ向かう途中に街のホットステーションがあった。 その当時は、のど飴なんか役に立たないよ〜的感覚があったのだが、 まぁ、気休めにでもなれば、とリンゴのど飴を買った。 そして、つどーむまでの道のりを舐めながら歩いていったのだが、 なんと、到着する頃には完全に治ってしまったのだ。 良くなった、とかいうレベルではなく、 本当に完治。 いや、以前より良いのでは? というすばらしい効果が発揮されたのだった。 それ以来、僕はのど飴を信仰している。 しかし、あの時ほどの効果を体感することはなかった。 だがこれはきっと、 今、僕が舐めているのど飴の効果を、あの時に前借りしたのだと思う。 だから僕はこれからもずっとのど飴をなめ続けなければならないのである。