アーカイブ : 2004年 8月 12日

04/08/12 The(imported from 独り言)

やらかしてしまった。
今日、若年者教習とらなければならなかったのだが、
うっかりしていて、自転車を人に貸してしまって、
そのまま行けず、で終わってしまった。 
(ちなみに貸した相手は今日卒検で合格したらしい。皮肉だ。)

よって卒検は火曜になった。
またさらに日があくことになる。
果たして大丈夫であろうか!? 

今日のみきわめも非常に微妙であった。
3週間も前に一度やって以来の縦列駐車が
本気で出来なかった。
「やりかた忘れました」と正直に言ったのだが、
「どうやって教えられたのか解らないからわからない」と言われてしまい、
立つ瀬がなくなってしまった。 
まぁ、最終的には思い出したのでうまくいったのですが・・。
路上走行もいまいち感覚が取り戻せない。

そんなこんなで、
非常に凹んでしまったので姉の家で甥姪と遊んで暮らした。
甥は一皮目で非常に「あらぁ〜、まぁ〜〜」といいたくなる容姿の持ち主で、
おじさんとしては将来に期待するところ大なのである。
だが、それに劣らず姪のワカキン・ヘルスメーターも、
大物っぷりでは弟を圧倒しており、
これまた将来有望なのである。

だが、この若い力と渡り合うには、
この老体ではいささか辛いものがあり、
憔悴しきったこの体では、
こうしてキーを叩くことですら非常に億劫なのである。 
あぁ、なんだか疲れる一日だった。

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『姉について』

僕は人からよく、「変だ」、「おかしい」、「ダメ男」、「おっぺけぺー」、
等と本当に頻繁に言われるのだが、
そんな僕でも我が姉の『変さ』には脱帽してしまう、それほどのお人なのである。

全くもって奇怪な人なのでどこから説明していいのか・・
年齢は本人が非常に気にしているので伏せておくとして、

まず、姉はもう生きてはいないということをお話しておきたい。
そう、姉はもう亡くなっているのだ。 
小さい頃に病名も付かない、医者がさじを投げてしまった病気で、
姉は他界してしまった。

だが、姉はあまりにも鈍感で、
自分が死んだことに気付かなかった。 
どうやら家族も周りの人も気付いていなかったようだ。
初めてそれに気が付いたのは僕だ。

落ち着いて考えれば、そうとしか考えられないのだ。 
姉には体温がない。
そして眠っている間は呼吸もしていない。
もっとも、起きている時にしている呼吸もカタチだけのものなのだが。
他にも気力が落ちてくると、
体にまだら模様が浮かび上がるなど、
死者ゆえの現象は山ほどある。

信じていただけないかも知れないが、事実である。
それが証拠に、姉は病院に行くたびに医者を困らせて帰ってくる。
「ありえない・・」
姉を診察した医者はみなそうつぶやくのだという。

それでも、姉はイマイチ自分のことを理解していない。
「最近、自分でも死んでるんじゃないかと思うんだ」
と最近よりもずっと以前から言い続けている姉であるが、
一向にその事実と真摯に向き合ってはいない。

そう、姉はとぼけた人なのだ。
そのとぼけっぷりはまたひどいもので、
一般の人には天然ボケと映ることも多いらしいが、
決してそうではない。
とぼけた人間なのだ。 

うむ。
勢いでなんとか姉を説明しようとがんばっているが、
到底説明できるような姉ではない。
また、機会があれば説明したいと思う。

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姉はもう亡くなっている、という話は上記の通りだが、
姉は僕の中でもっと確実な意味でもう一度死んでいる。

あれは中学生の頃だったか、
それとも小学生の高学年の頃だったか、
ある日、僕はリビングのソファーにすわっていた。
すると、母親がそろそろと遠くから静かに近づいてきた、
そして、まだやや離れたところで立ち止まり、
「お姉ちゃん死んだわ」
と静かに言った。

耳の穴が塞がり、血が一気に心臓から頭に集まる感覚と共に、
瞬間的に様々な情報がもの凄い勢いで頭の中を吹き荒れた。

「なんで死んだんだ?」
「父はしっているのか?」 
「事故か?病気はしてなかったからきっと」 
「あぁ、死んだのか」
「母親はいま何を考えているのか?」
「母親は二階から降りてきたから姉の亡骸は2階にあるのか?」
「事故?」 

他にも様々な言葉にすらなっていないような感情や疑問や情報が、
めまぐるしく行き交った。

今思い出してみると、
「あぁ、死んだのか」
という考えが非常に強かった気がする。
他の考えは浮かんでは消えなのだが、コレだけは頭に居続けている感じだった。

こうして、僕の頭の中では、
姉は本当に死んでしまった。

姉の死の際、どんな気分になるのか、
僕は一度経験したのだ。
ある意味では貴重な経験だ。

最後に説明するが、
母親は、姉が疲れてあまりにも深く眠っていたので、
「まるで死んだようだ」と思い、
一階にいた僕に前出のようなセリフを吐いたのであった。

人騒がせにも程がある。